光琉は意を決して話しかけようとしたらあからさまに避けられ、自分の言った言葉がどれだけ彼女を傷つけたのかわかった。

 紫は昼休みに彰から声をかけられた。
 
 「最近、光琉先生ようやく酒臭くなくなってきたね。絶対失恋したんだって噂になってたけど、本当かな?あのモテ男が失恋なんてあり得るのか?」
 
 「そうね。よく分からない。どうでもいいよ、そんなこと」
 
 紫の冷たい顔にびっくりする彰。
 
 「どうした、紫?親戚だろ?冷たくないか?」
 
 「親戚だからこそ、冷たいんだよ。反省するべき」
 
 「まあな。そうだ、紫。俺、河田病院も行ってるだろ。院長の娘で河田里香子ってお前友達だろ?彼女から友達だって聞いたんだ。よかったら三人で一緒に夕飯行かないか?」
 
 「うん、行く!里香子そうか、同じ病院だもんね」
 
 嬉しそうに笑顔を見せる紫をほっとした様子で彰は見つめた。
 
 「よかった。だったら日にち調整しよう」
 
 そう言って、シフトを確認しだした。