みんなが私を振り向く。
 「え?」
 
 篠川先生は私をじっと見た。
 
 「もしかして?紫?」

 「うん。そうだよ。久しぶりだね、あきちゃん」
 
 私は篠川先生に向かって抱きついた。
 あ、しまった。調子に乗りすぎた。
 ぱっと離れる。あきちゃんは笑っている。

 「紫ちゃん。知り合いかい?」
 院長が私に聞いた。
 
 「はい。幼馴染みです」