「あ、あった」

高校の最寄り駅まで戻ってようやくその男の子が見つけてくれた。

風に乗ってひらひらと舞っていた。
ちょうど落ちてきたところを彼が取って渡してくれた。

「ありがとうございます!!」

「よかった」と言いながら彼は私の頭をなでてきた。


「ほら早く行こ。遅刻する」

時計を見ると、集合時間まであと15分だった。

2人で走って学校に向かう。

校門に着くと彼は
「受験頑張ろ」
という言葉と爽やかな笑顔を残して校内に入って行った。

その笑顔にキュンときてしまった。