2人の出会いの話。
「うそ…!受験票落と、した?」
高校の校門の前で私は絶望していた。
今日は高校受験の日。
なのに私は受験票を落とした…。
最悪だぁ。どうしよう…。
とりあえず、探そうと思ってそこら辺の草むらを探す。
まぁないんですけど。
ほんとにどうしよう。
徐々に焦りが出てくる。
「何してんの?」
第一印象は、”カッコいい人”だった。
ふわふわとした黒い髪の毛。くりっとした目に、すらっとした鼻。血色がよく、形のいい唇。
全てのパーツがいい場所にあるって感じ。
って見惚れている場合じゃなくて、
「受験票落としちゃって」
と慌てて言うと、
「俺も探すの手伝う」
と言ってくれた。