「お前……」

「……へへ」



私も、少しずつプライドの服を脱ぎ捨てるから。

時間はかかるかもしれないけど、


でも、いつか――


着飾っていない私で、本音と本気で、煌人と向かい合いたい。

口喧嘩でも、たまには褒め合うでも……何でもいい。

全力でぶつかり合う。それはきっと、どんな事でも楽しいと思うから。



「ん。サンキュ、凛」

「(語ってしまった……!恥ずかしい)」



いまさら恥ずかしくなって、煌人の目を見れない。とっさの思いつきで、髪の毛で顔を隠した。



「(ついさっき“全力でぶつかり合おう”って思ったけど、今はノーカンで……!)」



だけど煌人は、一度だって私から目をそらさなかった。

逸らさないまま、その薄い唇を開く。




「じゃあさ、凛。

さっそく本音を言っていい?」

「な、なんでも言って!さっきナル先輩から庇ってくれたお礼もしたいし」

「じゃあ………………



俺と手、繋いで」



「っ!」

「……ダメ?」



その時に見た、煌人の顔。


それは、いつか告白してくれた、あの日みたいに真っ赤で。


真っ赤で、真っ赤すぎて……



「……へっ?」



ついに、その真っ赤が。


今日、初めて、





私の顔に伝染した――