「こりゃ車がいるな……」
その後――
ショックで気を失ったナル先輩を、鳳条家の車で家まで送ることになった私たち。
幸いにも、車の中で意識が戻ったナル先輩
。ポツリポツリと、自分の事を喋ってくれた。
「俺の名前は金之成来(かねのなるき)。以前、自己紹介を渋ったのは理由があってね。
俺が生まれた時から、家がすごく貧乏でさ。それなのに“金の成る木 ”なんて名前がついてて。そのギャップが嫌で、フルネームは名乗りたくないんだ」
「……」
「……」
そんな事を誰も気にしないのに。だけど、きっとナル先輩にしか分からない苦労があったんだろうな。
私も煌人も、静かに先輩の続きを聞く。
「さっき燐ちゃんには言わなかったけど、俺も家で家事してるんだよ。両親が時間問わず働いてるからね。家では、俺が家事担当なんだよ」
「そうだったんですね」
しおらしくシートベルトをして静かに語るナル先輩に、さっきまでの気迫はない。
窓に頭をよからせて、物憂げに外を見ている。
そんな先輩を問い詰めたのは、煌人。
「でも、だからって……何でウチの事を気にしてるんですか?ナル先輩がいくら俺の悪口を言おうが、ナル先輩に損はいかんでしょ」
その後――
ショックで気を失ったナル先輩を、鳳条家の車で家まで送ることになった私たち。
幸いにも、車の中で意識が戻ったナル先輩
。ポツリポツリと、自分の事を喋ってくれた。
「俺の名前は金之成来(かねのなるき)。以前、自己紹介を渋ったのは理由があってね。
俺が生まれた時から、家がすごく貧乏でさ。それなのに“金の成る木 ”なんて名前がついてて。そのギャップが嫌で、フルネームは名乗りたくないんだ」
「……」
「……」
そんな事を誰も気にしないのに。だけど、きっとナル先輩にしか分からない苦労があったんだろうな。
私も煌人も、静かに先輩の続きを聞く。
「さっき燐ちゃんには言わなかったけど、俺も家で家事してるんだよ。両親が時間問わず働いてるからね。家では、俺が家事担当なんだよ」
「そうだったんですね」
しおらしくシートベルトをして静かに語るナル先輩に、さっきまでの気迫はない。
窓に頭をよからせて、物憂げに外を見ている。
そんな先輩を問い詰めたのは、煌人。
「でも、だからって……何でウチの事を気にしてるんですか?ナル先輩がいくら俺の悪口を言おうが、ナル先輩に損はいかんでしょ」



