大嫌いなキミに愛をささやく日

「勝手な事を言わないでください!私が小学校で必死に築いてきた物を全部、煌人は一気に振り出しに戻しやがったんですよ!こんな身勝手なことがありますか!?」

「凛ちゃん!」

「あのエセ紳士が!」

「だからシー!シー!!」



ナル先輩の珍しく焦った顔は新鮮だけど、あいにく、今の私には関係ない。



「私は煌人が嫌いなんです!キザな言葉も、大人びた行動も!変な着ぐるみ被ってるみたいで、全部ぜんぶ気に入らないんです!」



おまけに――と、更なる煌人の批判を重ねようとした、その時だった。



「――いい加減にしろよ」

「え?」



急にナル先輩の声が低くなったかと思ったら、先輩は私を鋭く睨んだ。


そして目にも止まらぬ早さで、私の口は先輩の大きな手によって押さえられる。



「んー!」



ふりほどこうとしても、ナル先輩の力は強くて、ビクともしない。


しかも、いつの間にか壁に追い詰められていて、逃げ場がない。


逃げようとジタバタする私に、ナル先輩は顔を近づけ、ドスの効いた声で喋った。



「鳳条煌人の悪口を言ったら……ただじゃすまねぇからな」