「……」
「……」
「な、成来(なるき)だよ。気軽にナル先輩って呼んでね」
「はい、ナル先輩」
「(今の間は……何だ?)」
煌人が、若干の不信感をナル先輩に抱いたとは知らない私。
私たちの名前を既に知っていたナル先輩とは、しばらくとりとめもない話をした後。
お店を出て、その場で解散になった。
そして、帰り道――
「何か、先輩とは思えない先輩だったな」
「そう?ナル先輩は先輩らしかったよ」
「……んーそう?」
ファミレスから私の家まで、そう遠くない。
それなのに、煌人が「送る」と聞かないから、二人で私の家まで歩いて帰っていた。
「それより、凛。何かあった?」
「何かって?」
「俺がトイレでいなかった時。ナル先輩と」
「……あ」
その時、思い出す。



