大嫌いなキミに愛をささやく日

「カッコイイなぁ、憧れるよ!」



その言葉を聞いて、煌人は笑ったまま固まる。そして三秒後に私を見つめ直し、



「これがおおよその反応だと思うけど?」



と私に聞いてきた。

もちろん、華麗にスルーしたけど。



「気取ってる煌人は嫌い」

「嫌いって、お前なぁ」



その時、チラリと煌人を盗み見る。

煌人は口では怒った事を言っていても、なぜか顔が笑っていた。

さっき杷木屋さんと話していた時と違って、なんだか嬉しそう。

口では怒り、顔で笑い……なんて。煌人って変。



「煌人ってまともな表情がないよね」

「お?新手のいじり方か?まぁいいや。さっきオーダーし損ねたろ。トイレ行くついでに、注文してくる。先輩は炭酸ですよね?」

「うん。ありがとうね」



そうして煌人はトイレに向かった。

煌人がいなくなり、この場には私と先輩の二人だけになる。

煌人が帰ってくるのを待つ間、先輩は「すごいよねぇ」とまだ興奮冷めやらぬ様子で口を開いた。



「さっきの会話、とても中学生とは思えない。さすが社長の息子だよね」