大嫌いなキミに愛をささやく日

「その後、真くんはすっごく働いてくれてね。今じゃ秘書よ秘書!出世したわよねぇ~」

「は、はは……」



声高らかに笑っているお母さんを、ただ呆然と見てしまっていた私。

だけど「お礼を言わないと」と思って、頭を下げようとした。

すると、パシッと。

お母さんが、私の頬を掴む。



「凛さんにもう一度会ったら、聞きたい事があったの。

あなたは今、幸せかしら?」

「!」



少しだけ眉を下げて、首を傾げて聞いてくれるお母さん。

そんな姿を見ていると、

私が忘れていた「お母さん」の記憶が、少しずつ蘇ってくる。



「(あぁ、そうだった)」



そうだ、私のお母さんも。

私を心配して、よくこんな表情をしてくれていた。