全然、知らなかった!!
驚きを隠せないでいると、お母さんは更に私に近づき、私の頭を撫でた。
「凛さんと会うのは二回目かしらね。あの時、あなたはまだ小学校一年生だったわ」
「え、あの……すみません……」
こんなスゴイ人と会った事があるなら、絶対忘れなさそうだけど……何も覚えてない。
そう思って頭をひねっていると、お母さんは口紅が引かれた唇を、ゆっくり横に伸ばした。
「覚えてないのも無理ないわ。市役所で初めて会った凛さんは……何も目に写していなかったから。ご両親を亡くされた直後だったと、後から真くんに聞いたわ」
「あ……」
そうか。お父さんお母さんがいなくなって、私は生きる希望を失って……。
そんな中、今のお父さんに引っ張られながら、市役所に行ったんだ。色んな手続きをしないといけないからって。
「私もちょうどその日に、市役所に行ったのよ。それで真くんに会ったの」
「お父さんに……?」



