大嫌いなキミに愛をささやく日

「(え……?)」



小さく震える私を隠すように、煌人がガタリを席を立った。

そしてじんわりと汗の出た私の背中をポンと叩いて、教室のドアまで歩くよう促す。



「え、でも、」

「いいから」



私の耳元で、煌人が小声で喋る。

かと思いきや、力強い手に引っ張られてしまい、移動せざるを得なくなった。



「三田、大丈夫か?あまり無理するなよ?じゃあ鳳条、頼んだからな」

「はい、もちろん」



ニコッと笑った煌人に、女子の黄色い声が湧く。

だけど私は……



「凛、行くよ」

「……っ」



その黄色い歓声は、一切聞こえなくて……。

目の前に移る煌人の広い背中を、ただ苦い顔で見つめていた。








「まさか誰もいないなんてなー」