大嫌いなキミに愛をささやく日

「ちが、俺は……いや、違わない。うん、ごめん」

「いいよ……誰だってビックリするもんね。親いなかったら、何て声を掛けていいか分からなくなるよね」

「……」

「……」



キュッと、椅子の上に乗せた手のひらの指を、ゆっくりと丸める。

この場の重たい空気を、今、この手のひらの中に閉じ込めることが出来たら――

なんて。そんな無謀な事を思った。



だけど、こんな中、煌人は口を開いた。

何を言うんだろうって、そればかりが気になった。



「俺は、さ」

「うん……」

「俺はさ、凛が好きだ」

「……え?」



何を言われるかと思ったら、そんなこと?

予想外過ぎて、椅子に乗せていた手が、ズリッと落ちる。


だけど煌人は、すごく真剣な顔だった。

真剣な顔で、まだ、何かを言いたそうな。

そんな風に、口角がピクピクと動いている。



「……遠慮しないで、続けて?」