大嫌いなキミに愛をささやく日

「……っ」



煌人はギリリと奥歯を噛み締めた。

そんな煌人にさえも、お父さんは容赦がない。



「君は、誰が一番不幸なのか競争でもしてるのかな?」

「……な、なわけないでしょ。でも、」



でも――と言った煌人の頬を。

お父さんはパンッと、両手で力強く挟んだ。



「な!なにす、」

「行き場のない怒りを凛に向けるな。それは、ご両親に向けるものだろ?

凛に甘えるな。

言いたいことがあるなら、ご両親に直接言えよ。この若造が」

「!」



ガラッと変わった雰囲気に、圧倒される煌人。

お父さんは、自分に少し恐れをなした煌人を察したのか。

不敵な笑みで、まるで挑発するようにニヤリと笑った。



「こんな腑抜けたヤツに、ウチの大事な愛娘をやすやすと差し出すわけにはいかないな」