私は毎晩毎晩。

クッキーを食べている時、煌人の事を思い出してしまう。

だけど肝心の煌人と言えば、どこか上の空。

しかも、私を見れば避けるような素振りを見せる。

これには……怒ろうと思っても怒れない。



「何か理由がありそうで……怒れないんだよね」

「鳳条くんが更にポンコツになった理由?」

「……」



まぁ、そうだけど。

という言葉を飲み込んで、教室にいる煌人を見る。



「(あ、目が合っ、)」

「! ……っ」

「(逸らされた)」



一瞬だけ目が合ったけど、すぐに逸らされてしまった。



「(もう、どうしろっていうの……)」



煌人の事が分からなくて、頭を抱える日々。



晴れない私の顔は――



家で晩御飯を食べている時に、お父さんに指摘された。



「最近ため息が多いようだけど、どうしたの?凛」