「……」



い、今まで本当に知らなかった。

だって煌人の事を気にもしてなかったから(本当に本気で)。



「(私だけに“煌人”って呼ばせてるの?)」



しかも入学して早々。



『次のテストで俺の方が点数が良かったら、俺の事を名前で呼んで』



なんて……。

なんで?

どうして名前で呼んでもらいたかったの?



「煌人はさぁ、」



いつから私の事を好きでいてくれたんだろうって。ふと、そう思った。



すると、私が思っている事を察してくれたのか、泡音ちゃんが「ふふ」と可愛い笑みを浮かべる。



「少しは鳳条くんの事を、真剣に考えられるようになった?」

「どういう、」

「今朝、登校してきた凛が教室に入って来た時、鳳条くんを見て思い切り顔を歪めてたから。どうせいつものケンカかと思ったら、まさか告白されてたなんてねぇ」

「ちょ、ニマニマするのやめてっ」