「!」



そう来るとは思わなくて……少しだけ、ドキッとした。

煌人に褒められる事なんて無かったから、余計に。



「(この前から私、何だかおかしい。煌人を見ると胸がザワザワするというか……)」



ふくれっ面をしていると、膨れた頬を、煌人に指で押される。



「ぷっ、タコみてぇ」

「さ、触らないでっ」

「お前、直球すぎねぇ……?」



そう言って明らかに沈む煌人。

だけど、三者面談だというのに、私の親の姿がないことに気づいたらしい。

「ご両親は?」と、周りをキョロキョロ見渡した。



「今、中で先生と話してる」

「凜に聞かれたくない話か?」

「うーん、単純に気になるんじゃない?学校での私が。もっと話してって感じで、先生にせがんでたもん」

「……ふぅん」



すると煌人が「大事にされてんだな」と私の頭を撫でた。

眉を下げて笑う顔に、少しだけ違和感を覚える。



「あの、煌人……?」