ジャラジャラジャラジャラジャラ。
光姫が用を済ませると、自動的に
水が音を立てて流れた。

光姫は今にも泣き出しそうな表情で、
洗面所で手を洗っていると、突然
目の前の鏡から眩しい光が放たれた。

光姫「な、なに、この光⁉︎」
光姫が驚きを露わにしていると、
鏡の中から猫の手のような手が
伸びてきて、光姫を鏡の中へと
吸い込んでいった。
光姫を吸い込むと、鏡から光が
止んだ。

一方、洗い場では15分経っても
戻ってこないことに気がついた
責任者の鷲野は、怪訝そうな表情を
浮かべながら、辺りを見回し、
「板垣さん、どうしたの?
そろそろ戻らないと」と声を大にして
呼びかけた。
しかし、辺りは物音さえたたない
静けさに包まれている。

鷲野は不気味に感じ、早足で戻ると、
「板垣さんが消えた⁉︎」と声を
荒げて発した。

光姫が失踪したことで、社員食堂内も
光姫の家族も騒然とし始めた。