夜の18時。季節は夏。
私、板垣 光姫は、青山一丁目から
歩いて10分位の社員食堂で
洗い場の業務を不器用ながらに
こなしていた。

パートのおばちゃん
「違う、違う。板垣さん、また
洗い方間違ってるじゃない」

パートのおばちゃん
「何度 教えたら覚えるんだい。
全く、いつも失敗ばかりしていて」

責任者の男性
「よほど学習能力がないんだね。
いくら高校生っていったって」

いつも私のバイト生活は
罵声まみれで、私は毎日続く
先輩方のいじめの毎日に
うんざりしていた。

それでも、家計が厳しい環境に
ある為、私はこの洗い場のお仕事を
やめることができないのだ。

光姫「す、すいません。おトイレに
行ってきていいですか?」

パートのおばちゃん
「あなた、何言ってるの。
これから洗い物が沢山くるのに」

責任者の男性
「まぁまぁ、行かせてやればいいじゃん。漏らされたら厄介だよ」

パートのおばちゃん
「鷲野さんが、
そういうなら仕方ないか。
行ってきなよ」

光姫は忙しなくエプロンを外し、
「すいません、すぐ戻ります。」
と一言断ってから、洗い場から
すぐ近くのトイレに駆け込んだ。