あの後、話していると彼女が眠そうにしていたので、寝かせようとしたのだが、その時の彼女がまた可愛かった。


「リーベ眠たいの?」

「……眠たくない」


 今にも寝てしまいそうなくらい、目をとろんとさせているのに、眠たくないと言い張る彼女が可愛いい。


「眠たいんでしょ。寝ていいよ」

「嫌」

「どうして?」

「眠ったら、リュカがどこかへ行ってしまいそうだから。それに眠くない」


 なんだ、その可愛い理由は。
 それにまだ眠くないって言い張ってるし。

 彼女はどれだけ可愛いを更新していくんだろうか。


「リーベが眠っても、俺はどこにも行かない。だから寝ても大丈夫だよ」

「本当に? どこにも行かない?」


 うとうとしながら尋ねてくる。
 もう相当眠たいんだろう。
 目がとろんとしている。


「ああ、どこにも行かない」

「約束だよ?」

「ああ、約束」


 すると彼女は安心したように俺の腕の中で、すーすーと柔らかな寝息を立てる。

 そんな彼女の頭を一度撫でてから、多分彼女用であろう隣のベッドに横たわらせる。