オリバーについて彼の家に行くと、酒を飲みだそうとするので、先に妖精を見たいと伝える。

　オリバーは楽しそうに、家の奥にある鍵がついた部屋に俺を案内する。

　扉は少し古びていて、開く時に嫌な音がなる。

　少し外で待ってろと言うので、ここで気分を害されでもしたら面倒だと思い、大人しくそれに従う。


「リーベ、今日もいい子にしてたかぁ？」


　妖精の名前はリーベというらしい。

　そんなこと聞かずに早く俺を中に入れてほしい。
　妖精がどんな状態か心配だ。


「……い、いい子に、してました」


　中からか細い少女の声が聞こえる。
　オリバーに恐怖を覚えているのか、声が震えている。


「そうか、それはよかった。今日は客がいるんだ」


　オリバーが入れ、と手招いてきたので中に入ると、逃げられないようにか、右足に足枷のつけられた怯えたように震えている可憐な少女がいた。

　その少女を見た途端、心臓がどくんと大きく震える。

　恐怖のせいか、血が通ってないように見える白い肌。
　金色の髪にアクアマリンのように綺麗な瞳。
　所々彼女の血であろう汚れがついている白いワンピースから覗く手足はあざだらけで、見ているだけで痛々しい。

　酷い状態だろうとは思っていたが、実際に見ると心が痛くなる。

　なのに、こんな状態の彼女に俺は一目惚れしてしまった。