それからもオリバーが彼女に暴力を振るっている映像を撮りに、ほぼ毎日あいつの家に通った。

 彼女に暴力を振るっている時は余程周りが見えていないようで、多少音を立ててしまっても気づかれることはなかった。

 仕事の都合もあり毎日は無理だが、オリバーがいない時を狙い、できる限り彼女のところへも通った。

 最初こそ怖がられるし警戒されていたが、一週間程で警戒心を大分解いてくれた。

 その辺りで彼女が俺の名前を初めて呼んでくれた時は、とてつもなく喜びを感じた。
 それまではあなた呼びで一貫していたので、俺の名前なんて覚えていないと思っていたから、より嬉しかった。

 それと同時期くらいに彼女が笑顔を見せてくれて、あまりの可愛さに抱きしめそうになった。

 流石に無許可で抱きつくなんて嫌がると思いやめたが、それ程可愛かった。
 元より可愛らしい顔立ちをしているのに、笑うと更に可愛くなるとかやめてほしい。

 いや、やはりやめないでほしい。
 あんな可愛い顔を見れなくなったら困る。

 そんなこんなで二週間程経った今日も俺は仕事の隙を縫って彼女の元へ向かう。