「いつもありがとう、マティルダ。こんな風に幸せな気持ちになれるのはマティルダのお陰だ」

「~~~っ!」


ベンジャミンは優しく微笑んでいる。
しかしイケメンの破壊力はひとたまりもない。耐性がなければ尚更だ。
マティルダは両手で真っ赤になった顔を覆った。
「なんで顔を隠すの?」と不満そうな声が聞こえてくる。

幸せを噛み締めつつも、今日もベンジャミンと共に楽しい夕食とお腹いっぱいになるまで甘いものを食べたマティルダは食べ過ぎてはち切れそうなお腹を押さえながら自室で横になった。

先程も「そろそろ一緒に寝ない?」とベンジャミンにお願いされたが「心の準備が……」とついつい反射的に断ってしまった。


「何もしないで寝るだけだよ?」

「わかってます……!」

「まだ恥ずかしい?」

「恥ずかしいというか、なんというか……」


モジモジと煮え切らない態度を取るマティルダにベンジャミンはいつも優しくしてくれる。


「そんな顔しないで?マティルダを困らせたいんじゃないんだよ。ごめんね」

「あっ……」

「おやすみ、マティルダ」