でも、敢えて断れないとわかっている私に頼むところ、先生は本当にタチが悪いと思う。
そうやってまんまと引き受けちゃう私も悪いけどさ。
こんな私の性格に、心底嫌気がさす。
頼まれると断れないし、相手の顔色を伺ってなかなか行動に移せない。
そこが私の優しさでもあるって妃和は言ってくれてるけど、やっぱり腑に落ちないのも事実で。
だから私の目標は、強い女になること。
乱暴な強さじゃなくて、芯のある強い女に私はなりたいんだ。
そのために自分磨きを頑張って、髪も思い切って茶色に染めた。
基本校則が緩いこの学校は、大体は見逃してくれる先生が多い。
そんなわけで、外見から生まれ変わりつつある私は、周りからも「垢抜けたね!」「めっちゃ可愛い」と言われることが増え、今のところ順調。
特に美人さんの妃和に「怜南頑張ったね」って言ってもらえた時は、本当に嬉しかったなぁ。
妃和は元々私のこと可愛いって言ってくれる優しい子だったけど、私としては周りの人にも認めてもらう必要があったんだ。
友達として、妃和には恥ずかしい思いさせたくなかったから。