「―――」



言葉が出てこない。



手に汗がにじむ。




「違うでしょ?」



繭がもう一度聞き返す。



「・・・っ」




何で



何も言えないんだろう。



何で



何でこんなに苦しいんだろう。




『違う』って言えばそれですむのに――




「…が…う」



「え?」



「違う…よ」