「本当にそれだけ?」

「・・・・・・。」

「あの夜、芽衣と勇吾君が一緒にいる所を見て、俺は嫉妬で気が狂いそうになったよ。白いワンピースを着た可愛い芽衣の隣にいるのが、どうして俺じゃないのかって。」

「・・・え?」

「いや、あの夜だけじゃない。ずっと勇吾君に嫉妬していた。」

「え・・・?嫉妬って・・・でも私のことは友達だって思ってるんですよね?」

「芽衣の心に誰かがいるって初めから気づいていたから、とりあえず友達になってって言った。」

「とりあえず・・・?」

とりあえず、なんて言ってたっけ?

「そう。とりあえず。とりあえずって意味わかる?一時的にってことだよ。俺は芽衣とずっと友達のままでいるつもりなんて一ミリも思ってなかったし。むしろ友達以上になるためにアプローチしてたつもりなんだけど、気付かなかった?」

「それは・・・」

どうしてこんなに優しくしてくれるんだろう、とは思ってたけど。

「芽衣に冷たくされて・・・俺、死ぬほど落ち込んだ。芽衣の笑顔が俺に向けられなくなることがこんなにしんどいってことを嫌というほど思い知らされた。芽衣・・・」

「・・・はい。」

「俺の恋人になって欲しい。」

「!!」

私が顔を上げると、響さんが私の両手を掴んだ。

「芽衣が好きだ。俺、もう芽衣がいないと駄目みたい。」

響さんからの甘い言葉のシャワーを浴びて、頭がぼおっとなってしまった。

まるで夢の中にいるみたい・・・。