新宿のPホテルのラウンジで、私と響さんは英国風アフタヌーンティを楽しんでいた。

目の前には、3段トレイに乗せられたサンドイッチやスコーン、カラフルなプチケーキ。

どれも美味しくて、言葉通りほっぺたが落ちそうになった。

明るい午後の日差しが眩しい窓の外の景色は、綺麗な空色のグラデーションがとても美しかった。

「今日は言わないの?おいしーー!!って。」

響さんが目を細めて私をからかった。

「こんなお洒落な場所では言いません。」

私がそう言って頬を膨らませると、響さんは「それは残念。」と肩をすくめた。

「芽衣、その白いワンピース、可愛い。良く似合ってる。この間はじっくり見れなかったから。」

「ほんとですか?ありがとうございます。」

私は照れ隠しに、手を両頬に当てた。

この白いワンピースはあの夜に着ていたものだ。

響さんからのリクエストで、今日、これをもう一度着て来て欲しいとお願いされたのだ。

響さんに似合ってると言われて、羽根があればふわふわと舞い上がってしまうくらい嬉しかった。

軽食を食べ終わり、ふたりで温かい紅茶を飲み始めると、響さんがこの間の夜の一連の経緯を話し始めた。