勇吾君の誘いを受けるか否か、数日間悩みに悩んだ。

ふたりの決定的な瞬間なんて本当は見たくない。

でも・・・この想いをきっぱりと断ち切るためには絶好の機会なのかもしれない。

これもひとつのショック療法というものになるのかもしれない。

勇吾君の話を聞いた4日目の夜、思い切って私は勇吾君に電話を掛けた。

「もしもし。」

「もしもし。勇吾君?」

「ああ、メイメイか。」

「あの・・・私ね」

「どうした?土曜日、行く気になったか?」

私は小さく息を吸って勇吾君に告げた。

「・・・うん。私、行く。行って、潔く響さんのこと諦める。」