「えーとさ。ちょっと会えないかな。相談したいことがあって。」

どきん、と胸が跳ねた。

もしかして響さんと文香さんのこと?

でも、今ここでそれを問いただすことは止めた。

ちゃんと勇吾君の顔を見て話し合いたい。

「良かった。私も勇吾君に話したいことがあったから。」

「そうか。じゃあ駅前のファミレスで。あそこ、今イチゴフェアやってるからさ。メイメイ、イチゴ好きだろ?」

「うん。わかった。いつにする?」

「そうだな。今度の金曜日の夜はどうだ?」

金曜日の夜は響さんがフィットネスクラブに来る日・・・。

でも今は響さんに会わせる顔がないし、会いたくないから丁度良い。

「うん。大丈夫。仕事が終わったら直行する。多分、7時くらいには着けると思うから。」

「オッケー。俺もそれくらいになるわ。じゃあ、その時に。」

「わかった。じゃあね。」

通話終了のボタンをタップすると、ごろんとベッドに寝転び、目を瞑った。

今夜はもう何も考えたくなかった。