帰り道。

車は湾岸線に沿って走っていった。

キラキラと光る青い海の向こうの水平線に、みかん色の太陽が溶けている。

響さんは絶景ポイントに車を停めて、ウィンドウを開けた。

潮風が私の髪を揺らす。

私はその美しい眺めにうっとりとなった。

「久しぶりに見ました。海。」

「うん。俺も。」

「今日は美味しいもの食べて、綺麗な景色も見れて、本当に楽しかったです。響さん、ありがとうございました。あとこれ。」

私はバッグの中から、前もって用意しておいた響さんへのプレゼントを取り出し、それを手渡した。

「そんなに気を使わなくてもいいのに。」

「いいえ。いつも美味しいものを奢ってもらっているんだもん。これくらいさせてください。」

「中を見てもいい?」

「はい。」