そのとき、ウエイトレスが私の前に、三つのスイーツとイチゴのフレッシュジュースを並べた。

どれもこれも美味しそうで、思わずため息が出た。

「お客様、ご注文の品は以上でよろしかったですか?」

ウエイトレスの言葉に私は大きく「はい!」と返事をした。

「さ。食いな。」

「はい!いただきます!」

私は手始めにホウレン草とかぼちゃのシフォンケーキをフォークに刺して、口に入れた。

思ったよりしっとりとしていて、かぼちゃの甘さがほどよく口の中で溶けた。



「んっ。美味しーー!!」



響さんはまたもや忍び笑いをしている。

でもそんなことを気にしていられない。

私はあっという間にシフォンケーキを食べ終わり、トマトのフロマージュに食を進めた。

トマトの味が効いているのに嫌な酸味は消されていて、フロマージュの濃厚な甘みが上手くマッチされていた。

にんじんのムースも甘くてそれでいてさっぱりしていてとても美味しい。

私はあっという間に、3つのスイーツを平らげてしまった。

「美味かった?」

響さんが優しい笑顔で私にそう問いかけた。

「はい!すっごく美味しかったです!」

すると響さんは心底ホッとした表情で息を吐いた。

「・・・良かった。こんな遠くまで連れ出して、芽衣の口に合わなかったらどうしようかと思ってた。」

「そんな・・・。」

「本当に美味かった?芽衣は優しいから嘘ついても美味しいって言いそうだし。」

「美味しくなかったら、こんなに早く完食しません。本当に美味しかったです。響さん、今日ここに連れて来てくれてありがとうございました。」

私がそう言って頭を下げると、響さんも「いいえ。どういたしまして。」と嬉しそうに笑った。