「え?今、何て?」

土曜日の昼下がり、私は勇吾君とコーヒーショップのオープンテラスでランチを食べていた。

勇吾君から早速「相談したいことがある」と呼び出されたのだ。

ランチ代を奢ってくれるなら、という条件付きで、渋々ここまでやって来た。

「だからぁ。文香さんがメイメイに会いたいって言うんだよ。」

「ええ?やだよ。」

私はそう即答した。

「なんで私が勇吾君の彼女と会わなきゃならないの?意味がわかんない。」

私はそう口を尖らせると、アイスコーヒーをストローでズズズッと啜った。

「大体、なんで文香さんが私のことを知っているの?」

「それは俺がメイメイのことを文香さんに話したから・・・」

「私、あれほど忠告したよね?彼女に私と会うことを話さない方がいいよって言ったよね?」

「メイメイと会ってることは話してないよ。ただ、たまにメイメイのことを話題に出すってだけで。」

「私のどんなことを話題に出してるの?」

「メイメイと一緒に観た映画の話とか、メイメイが好きな漫画の話とか。」

「だからどうしてそんな話題になるの?!」

「・・・・・・。」