ダイエット中だけど甘い恋を食べてもいいですか?

早速ロッカールームへ入り、あらかじめ用意してきたスポーツウエアに着替えた。

まずは形から入ろうと思い、アディダスショップでピンクのTシャツと紺色のハーフパンツ、そして白いシューズも購入した。

Tシャツが思いのほか身体にフィットして、胸が目立ってしまうのが少し気になったけれど、この際仕方がないと諦めた。

肩まで伸ばした髪を、黒いゴムで後ろ一本に結ぶ。

タオルと財布が入ったポーチを持っていざ出陣、トレーニングルームへと足を踏み入れた。

そこでは老若男女が、それぞれのやり方で身体を動かし鍛えていた。

思わず圧倒されて、私は立ち竦んだ。

いきなり肩をぽんっと叩かれて振り向くと、オレンジ色のウエアを着たインストラクターの男性が、私を見てにっこり笑った。

「はじめまして!本日仮入会の久保田芽衣様ですね?」

「は、はい。」

「当クラブではご入会の方に、初めにボディドッグを受けて頂き、久保田様にピッタリのトレーニングプランをご提案させて頂きます。その為に少しだけお時間頂戴してもよろしいでしょうか?」

「はい。よろしくお願いします。」

私は小さなテーブルの椅子に座り、簡単なアンケート用紙を記入していった。

そこには健康面に対する不安や運動経験、生活リズム、クラブに通う頻度やその時間、そしてクラブに通う動機などが問われていた。

少し恥ずかしかったけれど、嘘を書いても仕方がないので、素直に「ダイエットの為」と動機の欄に記載した。