「これ、弁当よ。小春の好きなものいっぱい入れといたからね」

いつも私を支えてくれるお母さん。

不登校になって分かったことは、何気ない日常の中で、お母さんからたくさんの愛情を貰っていたことに気付いた。

「ありがとう」

弁当を受け取ると、忘れないようにバッグに入れた。

「小春」

声をかけられ、後ろを振り向くとお父さんは私に微笑んでこう言ってくれた。

「もし辛くなったら、いつでも帰って来ていいから」

お父さんは、私に逃げ道を作ってくれた。

辛い時は逃げてもいい。

私の帰る場所はここにあるよって。

「ありがとう、お父さん」

今度は、お父さんにお礼を伝えた。

以前までは、お父さんは仕事のことしか考えてなくて、いつも客観的で物事を見ていたけれど、今では家族のことを真剣に思ってくれていて嬉しくなる。