もっちーが天国へと旅立って1週間が過ぎた。

私は、1人電車に揺られながら窓に映る景色を眺めていた。

今日は、隣町にある精神病院の通院日で今はその帰り。

「最近はどうですか?」「困っていることはありますか?」「夜、眠れていますか?」病院の先生から聞かれることはだいたい同じ。

場面緘黙症が分かってから10年以上も通っているのに、未だ私は病院で話すことができず首振りや筆談で答えている。

なのに、今日、先生は元気がない私を気にかけてくれたけれど、理由を伝えることができなかった。

もっちーとさよならをしてから、私たち家族はなんだか心にぽっかり穴が空いてしまった。

長年、もっちーと一緒に過ごしてきたからショックはかなり大きい。

もっちーがいない部屋を見るたび、悲しみに暮れる日々。

あの後、楓くんにもっちーが亡くなったことをメッセージで伝えると、彼も私たちと同じく別れを惜しんでいた。