○とあるマンションの一室。
 窓の外から街を眺めた潤は「わぁ~」と感嘆の溜息。

潤「すごいね、葉澄くん、こんないい部屋に住んでるの?」

 オートロックにコンシェルジュ付きという、防犯対策ばっちりなマンションに案内された潤は(さすが芸能人……)と思っている。

葉澄「まだ住んでない。契約して鍵だけもらってる状態」
潤「あ、確かに荷物が全然ないもんね。これから引っ越すの?」
葉澄「そう。……潤が気に入れば、だけど」

潤(ん?)

潤「わたしが気に入ればって……?」
葉澄「や、えと、一緒に暮らしたいなと」

 照れながら言われて潤も照れる。ええー⁉

潤「ででで、でも、わたし、大学の寮に入るつもりで」
葉澄「うん、だから、近いうちに北海道にいる潤のご両親にも挨拶に行きたいんだけど」
葉澄「ここなら潤の大学からも近いし、外でデートして潤を危険に晒す心配もないし、セキュリティもしっかりしてるから」
潤「ま、待って! いろいろ急すぎて!」
葉澄「待てない」

 葉澄にぎゅっと抱きしめられる潤。

葉澄「俺はこの一年、本当に我慢したんだよ? 会いに行きたいのも我慢したし、学校も仕事も頑張った」
潤「う、うん。今や、大人気モデルだもんね」
葉澄「頑張った俺に、ご褒美ちょうだい?」

 葉澄に押し切られる形でキス。
 高校生だった頃も格好良かったが、卒業してますます大人っぽく格好よくなった。

潤「わ、わたしも、……頑張ったよ?」
潤「葉澄くんの側にいたいから」
葉澄「うん。これからはずっと側にいて」

 再びキス。潤の首には葉澄から貰った指輪がちゃんとつけられている。

潤「きっと、おとーさんもおかーさんもびっくりするよ。御門葉澄と同棲なんて……」
葉澄「同棲?」
潤「?」
葉澄「いや、結婚の挨拶に行くつもりだったんだけど……」

 ぴらっと見せられたのは婚姻届。葉澄の欄はもうすでに埋めてあった。
 その用意周到ぶりと愛情表現に、潤は照れと呆れと嬉しさで叫んでしまう。

潤「葉澄くんの愛は重すぎるよ!!!」


~Fin~