○夜19時くらい。夏場なのでまだそこまで暗くはない、
 お風呂上がりで自室に戻った潤は、開けっ放しのカーテンを閉めようとして外に葉澄がいることに気づく。

潤「は、葉澄く……」

 大慌てで外へ。簡単な変装姿の葉澄は、スマホで潤にメッセージを打とうとしていたところらしく、家から潤が飛び出してきたのでびっくりしていた。

潤「葉澄くん!」
葉澄「あ、ごめん……突然来ちゃって……」
潤「ううん、わたしこそ……その……」
潤「打ち間違えちゃって!」

 明るく笑顔を作る潤。
 潤が明るく振る舞っていることに対し、葉澄は何かを察しつつも何も突っ込まなかった。

葉澄「俺が顔見たかっただけだから」

 そう笑って、「じゃ」と本当にすぐに帰っていこうとする。

潤「あ、駅まで送るよ」
葉澄「ダメ。こんな格好で出歩いたら危ないから」

 潤の頭をぽんとして去って行く葉澄。

葉澄「また明日」

 潤は葉澄が触ってくれた頭に自分の手を乗せる。
 離れたくないな、と切ない気持ちでその背中を見送る。