○私服姿の葉澄と潤が歩いている。夕方。
 葉澄はどんよりと暗いテンション。
 あちこちに花火大会のポスターが貼られており、既に浴衣姿の人もちらほら歩いている。

葉澄「はあ~~~……」

 溜息。

潤「えっと、本当にいいのかな? わたしも一緒で」
葉澄「平気だよ。連れて来いって言ったのはアレンだし」

 前話でアレンが送ったメッセージを見た葉澄は誘いを断ろうとしたのだが。
 以下、メッセージでのやりとり。

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アレン『葉澄っち、打ち上げこれそ? 7月のスケジュールわかったら教えて~』15:25
アレン『(屋内バーベキュー場のリンクを貼り)貸し切り!』15:26
アレン『もう予約入れちゃった★ 7/22 空けといて』17:03

葉澄『すみません、今メッセージに気づきました。その日は先約を入れてしまっているので皆さんで楽しんできてください』17:20

アレン『もしかしてデート⁉』17:21
アレン『(花火のスタンプ)』17:21

葉澄『デートです』17:25

アレン『BBQ場から花火見えるよ!』17:26
アレン『彼女連れてくればいいじゃん!』17:27
アレン『(ひらめき系のスタンプ)』17:27
アレン『関係者しか入らないから大丈夫だし!』17:27
アレン『(にや~っと笑っている系のスタンプ)』17:27
アレン『そろそろ撮影再開だからまたな』17:27

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葉澄「はあ、はあ……。……陽キャ怖い……」

 やりとりを思い出して震える葉澄。
 即レスと連投で押し切られる形になってしまったことを後悔している。
 その様子を見ながら潤も緊張してしまう。

潤(アレンと凛々子とバーベキュー……)
潤(夢?)

 歩きながら頬をつねってしまう。
 二人は建物に入る。受付に声を掛け、二階に通される。
 階段を登ると……。