●今撮ったばかりの潤と蒼が抱き合っている画像を見て、ふふっと笑う美織。
 上機嫌に教室に帰っていく。

一軍女子A「美織ー、どこ行ってたの?」
美織「ん? ふふふ、内緒」
一軍女子A「ねえ、飯塚たちがカラオケ誘ってくれたんだけど行かない?」
美織「行かない」
一軍女子B「なんで? 飯塚、絶対美織のこと狙ってるよ?」
美織「だから行かない。別に飯塚なんかタイプじゃないし」
一軍女子B「うわ、きっつ」
一軍女子A「いいじゃん、飯塚。背だって高いしー、顔だって悪くないしー」
一軍女子A・B「まあ、御門先輩には敵わないけどね~」あはははは

 冗談っぽく笑い合う友人二人に、美織も同調して笑う。

美織(そうよ。そこらの男子じゃ御門先輩の足元にも及ばない)

 蒼に「もしかして御門先輩狙い?」と聞かれたことを思い出す。

美織(御門先輩は孤高の存在なの)
美織(なのに)
美織(なんであのちんちくりんな女が御門先輩の彼女なのよ!)

 THE平凡といった容姿で、葉澄とは全く釣り合っていない潤を思い浮かべてメラァ……となる美織。
 ふんっ、と鼻で笑って呟く。

美織「……あんな女にデレデレしているなんて、『御門葉澄』じゃない」