〇早朝。教室での待ち合わせよりも前に下駄箱で会った潤と葉澄。
 二人は仲良さそうに挨拶をして話をしている。
 物陰からその様子を見ている女子生徒がいた。
(内気で儚げなゆるふわ系少女。名前は宮下美織(みおり)


〇体育の時間。体育館で男子がバレーボールの試合をしている。
 レシーブを受けた男子のボールがコート外に飛んでいく。

男子1「あ゛っ、悪ぃっ」
男子2「(コート外まで走ってなんとかボールを拾う)くっ」

 変な方向に飛んでしまったボールだが、葉澄はアタックを打つ。
 油断していた相手チームは受けられずに得点になる。

相手チーム「くっそー、御門の打点高ぇ」
男子2「うおー! ナイス御門!」
男子3「ウェーイ!」

 喜ぶ男子たちにぎこちなく混じっている葉澄。
 その姿を見ている2-A女子たち。半数以上は葉澄に見とれている。

ちひろ「おーおー、やりますなぁ。おたくの彼氏」

 潤はちひろと彩香に両脇をつつかれている。
 体育会系女子・岡は拳を握る。

岡「高身長の御門くん、三枝くん。バレー部の城ヶ崎くん、田村くん。男子の方もいいメンツが揃ってるわ……」
岡「よぉーし! 男女ともに優勝を目指すわよーっ!」
クラスメイト「おおーーーっ!」

潤モノローグ「来週は球技大会です」
 種目は男女別れてのバレーボール。

潤「優勝したら何かあるの?」
彩香「文化祭の予算プラス一万」
ちひろ「参加賞でジュースももらえるよ」

岡「あ、そうだ佐々木さん。明日の放課後、体育委員会の打ち合わせがあるからよろしくね」
潤「ハーイ」

ちひろに「体育委員会?」と訊ねられる。

潤「石原さん(テニス部女子)が足を怪我してるから代わりに引き受けたんだ~」
彩香「大変だね」
潤「そうでもないよ。準備と後片付けくらいだし」
潤「あと、わたし球技苦手だから、別のとこでクラスに貢献する……!」

 練習中、空振りやボールがネットに引っかかったりしていた潤の様子を思い出した二人は苦笑して納得する。