「葵ちゃん、どうしたの?」

「いや、でも新井くんって、結芽のこと好きなんだよなぁって。結芽は新井くんのこと、好きにならないでね?」

「ならないよ! だって私はずっと宮野くんが好きだから」

「良かった! 私、新井くんに振り向いてもらえるようにがんばる!」

「私も、宮野くんに振り向いてもらえるようにがんばる!」

 葵ちゃんと一緒に笑いあった。

 モヤモヤが、すーっとどこかに飛んでいった。