「待って! 結芽も私に告白したら、私たちが一緒に帰ることになっちゃう!」

「わっ! そうだね!っていうか、葵ちゃんたちも帰る方法知ってるの?」

「うん。新井くんがタブレットを通してここの人たちとコミニュケーションとってて……」

「えっ? タブレットでそんなこと出来るの?」

「うん、そうみたい。それでね、教えてもらってたの」

「そっか、やっぱり知ってたんだ」

 さっきの新井くんの言葉、あきらかに知ってたっぽかったもんな。

「ねぇ、結芽聞いて? わたし、恋したかもしれない。彼と一緒に帰って結ばれたい」

「えっ?」

「なんかね、彼の隣にいるとね、ドキドキするの。こんなの、初めて……」

 そう言って葵ちゃんは自分の胸に手を当てた。
 頬が赤くなって、恋をしている顔をしている。その表情を見て、可愛いなって思った。

 ――でも、宮野くんのことだよね。

 そういえば、葵ちゃんからこんな話を聞くのは初めてかもしれない。でも初めて聞く葵ちゃんの恋の相手が、私の好きな人と同じで。

 しかも宮野くんも葵ちゃんが好きかもしれないし。