「お邪魔します。」


「どうぞ〜。」


材料はあるとのことなので、そのまま先輩の家にやってきた。

当たり前だけど、私の部屋と違ってごちゃごちゃ推しグッズが置かれているわけもなく、
しっかり片付けられていて綺麗で、想像していたような先輩の部屋だ。


「菅野さんはその辺で適当に寛いでていいですからね。」


「はい。」


ベッド、デスク、ローテーブルにソファ、テレビ。

一旦ソファに座るのは多分正解だと思うんだけど、その後どうすれば?
勝手にテレビつけるのもどうなんだろう?


「どうしていいかわからないですよね。
んー、あ、アニメ観ます?サブスク入ってるので、好きなの観てていいですよ。」


「ありがとうございます。」


先輩がこちらに気づいてきてくれて、テレビをつけると大量のアニメが選べる状態にしてから、またキッチンの方に戻る。

私はお言葉に甘えて、今期のアニメをチェックすることにした。


「何か嫌いな食べ物ありますか?」


「特にないと思います。
あ、でも辛すぎるものは苦手かも。」


「覚えておきます。」


一応アニメをつけたけど、料理してる先輩が気になってしまって、意識しなくてもそっちに視線がいってしまう。


先輩ほんと何でもできてすごいな。

料理してる姿も様になってて、素直にかっこいいと思う。


不意にこちらを見た先輩と視線があって、微笑みかけられる。


「うちに菅野さんがいるって不思議な感覚。
でも嬉しい。いつでも来てください。」


「はい。」