「お邪魔しました。」


「まだまだお話したかったわ。今度はゆっくりいらしてね。」


「はい!もちろんです。」


「じゃあママ行ってくるね。」


「行ってらっしゃい。」


ママに見送られてふたりで家を出る。


「大丈夫でした?ママ、綺麗な顔の人に目がないというか……。」


「全然大丈夫だったよ。普通に楽しくおしゃべりしてた。」


「よかったです。」


「愛衣ちゃんのお母様、愛衣ちゃんに似てたね。」


「え、そうですか?」


「うん。見た目もそうだけど、雰囲気とかも。」


「確かに、ママもオタクなところあるし、似てる部分は多いかもしれません。

似てるといえば、花純さんと佐山先輩も雰囲気っていうか性格が似てるなって思いました。」


「嘘。暁良と似てるとか嫌なんだけど。」


「ふふ。先輩も、嫌そうな顔でどこが?って聞いてきました。」


「あぶなかったー、私も聞こうとしてた。」


「やっぱり似てるんですかね?」


「そう言われると、一緒にいる時間は長かったかも。
暁良の両親より、私の方が暁良と長く過ごしてるかもね。」


「そうなんですね。」


「愛衣ちゃん、暁良んちのこと知ってる?」


「先輩のおうちのこと……?」


なんだろう。思い当たる話は特にない。


「いや、知らないならいいんだけど。
私からいうことでもないし。

あ、そうだ。今日どこか行きたいとこある?
愛衣ちゃんと話し合って決めたいなって思ってたの。」


「んー、花純さんは普段休日に何することが多いですか?」


「家にいることが多いんだよね。
仕事がある日は朝から晩まで忙しいから、録り溜めしてたドラマとか観たり。

愛衣ちゃんは?」


「私も家にいることが多いですね。
外出るのが嫌いってわけでもないんですけど。」


「一緒だね。
明日はどこ行くか決まってるの?暁良と出かけるんでしょ?」


「知ってたんですね。
特に決まってません。私が聞かされてないだけかもしれませんが。」


「それなら知らせてないのが悪いし、どこいっても大丈夫だね!
お昼まだだよね?」


「はい。」


「とりあえず腹ごしらえしようか。
何食べたい?もしくは何が好き?」


「これが食べたい!ってものはないんですが、オムライス好きです。」


「じゃあオムライス食べに行こう!」