「そろそろ始めましょうか。
何の科目からしますか？」


「数学苦手なので数学から！」


わからないところがあったら聞いてください、と言われとりあえずお互いがお互いの課題を進めていく。

多分見た感じ、先輩は課題終わってて違う勉強なんだろうけど。


「菅野さんってきっと勉強全般得意な方ですよね。」


ふいに先輩が口を開く。


「そうでもないですよ？」


「そうですか？
苦手と言っている割にはさっきから難なく解いているので、そう思ってしまいました。」


「言われてみれば、すごく苦手ってわけではないかも。
でもすぐ飽きちゃって別のこと始めるので、そういう意味では苦手です。
先輩居なかったら、もう別の事始めようかな〜ってそわそわしてるとこだと思います。」


「ふふ、そうなんですね。
確かに興味無いものには興味無いって感じがしますもんね、菅野さんは。」


「そうなんですよ。
全部遥斗くんに関連してくるなら勉強も続くと思うんですけどね。」


「残念ながら遥斗さんに関わるような勉強はそんなに無さそうですね。」


「まあないですよね。
先輩は続けられるタイプっぽい。」


「昔からやってるから、もう歯磨きするくらいの感じですね。
たまにめんどくさいなーって思うくらい。」


「けどそういう時もちゃんと歯磨きする派ですよね？」


「する派ですね。」


「すごいなぁ。」


めんどくさいとか思ったり他のことに気が向いちゃうと、私の場合もうその日は絶対勉強に戻ってこないから本当に尊敬する。


「あ、先輩。わかんない問題きました。」


「どれですか？」


「これなんですけど……。」


「これは──」


先輩の説明はとても分かりやすくて、授業も先輩がした方がいいのではと思うくらいだった。