「先輩のおかげで欲しかった遥斗くんグッズ全制覇できました!ありがとうございます!」
あの後、コースターとランチョンマットも、先輩に配布された分が遥斗くんだった。
もちろん私は違うキャラ。
けど先輩はグッズは自分には必要ないからと全部私にくれたのだ。
「いえいえ。
ご飯は美味しかったですし、菅野さんが楽しそうで俺も楽しかったですよ。」
「良かったです。」
まあ若干周りの視線が痛くはあったが。
遥斗くんが私の元へ来てくれるならそれも仕方ない。
当の本人は気にしてないのか気づいていなかったのかもしれないが、私たちはとても注目されていた。
まあまずあの作品のコラボカフェに男性客が少ないことと、先輩の容姿が良いことが問題らしく、
オタクに理解あるイケメン彼氏が羨ましいだとか、
コラボカフェに一緒に来て楽しんでくれる彼氏最高じゃない?とか言われていた。
私はあの人たちに伝えたい。
彼氏ではないです。
「それにしても先輩は本当に引き良いですね。
次コラボカフェがあった際にもまたぜひお願いしたいくらいです。」
「いいですよ。菅野さんのお願いならいくらでも。」
「ありがとうございます。」
社交辞令かもしれないけど、正直遥斗くん引き率からいってまた誘いたい。
それかその運を私にも分けて欲しい。
「菅野さんはこの後予定は?」
「特にないですが。」
「少し付き合って貰ってもいいですか?」
「はい。」
遥斗くんをゲット出来た私は、今日なら先輩のパシリくらいにはなってもいい所存である。
「ありがとうございます。」
駅の反対側なので少し歩くんですけど、と歩みを進める佐山先輩は、私に合わせてゆっくりめの速度で歩いてくれる。
何も言わずにこういうことをさりげなくするからモテるのかもしれない。
遥斗くんにしか興味ない私にでもそれくらいはわかる。
だからって私は好きになったりはしないけど。


