部屋を見渡せば荷物は無くなったとはいえ、亮がいた痕跡は至る所に残されていた。 一緒に買いに行ったクッション。 亮が落としたフォークで傷がついた机。 使ったままで置きっぱなしの爪切り。 いつもちゃんと片付けてって言ってたのに。 ねぇ、亮。 この部屋はまだ亮でいっぱいだよ。