「あの、キャロルさん」

「何かしら?」

「さっき茶髪の人が綺麗にしていた方がリュカが喜ぶ、って言ってたんですけど、本当ですか?」

「茶髪の人? ああ、リックのことね」


 あの茶髪の人はどうやらリックというらしい。
 そのまま黙って彼女の話を聞く。


「そうね、この状態のあなたでもリュカは愛してくれるだろうけど、綺麗になったら喜ぶだろうし、もっと愛してくれると思うわ」

「そうなんですね。じゃあ、私のことたくさん綺麗にしてください」

「もちろんよ。本当にリュカのことが好きなのね」


 そんなの当たり前だ。
 あんなに素敵な人を好きにならない人なんているんだろうか?


「はい、大好きです」

「ふふ、本当に微笑ましいわ」


 そうして彼女の体を綺麗にしてもらって、新しく用意してくれた服を着る。
 今まで着ていた薄っぺらいものと違って、しっかりとした生地の白いワンピースだ。

 髪を乾かしてもらうと、見違える程私の髪は綺麗なっていた。

 シャンプーに魔法がかけられていたみたいで、そのおかげで艶が戻ったらしい。

 魔法ってそんな使い方があるんだなと思いながらら、彼女と彼のいる部屋に戻る。