「やめろ!」


 彼がオリバーを押さえつけ、剣を奪い返そうとする。
 オリバーは彼に奪われないようにと暴れる。


「離せ! お前が悪いんだ! お前がこいつのことを連れ出そうとしなければ、俺はこんなことするつもりなかった! 全部お前のせいだ!」


 何か彼の役に立ちたいと思うのに、やはり体が動かない。

 オリバーが彼のことを突き飛ばす。
 そして、そのまま彼に斬りかかる。


「やめて!」


 今更になって体が動くようになった。

 オリバーを押し除けようと向かう。
 けれど間に合わず、彼はオリバーに斬られた。


「リュカ!」


 彼に駆け寄る。
 胸からお腹にかけて斬られたようで、大きな傷があって、酷い出血をしている。


「リーベ、俺は大丈夫だから、そんな悲しそうな顔しないで」


 彼が弱々しく言う。

 早く治療しないと彼が死んでしまう。
 そんなの嫌。
 彼が死ぬなんて駄目。

 そう思って、オリバーに助けを乞おうとすると、部屋に彼と同じ服を着ている人達が入ってきて、オリバーのことを押さえつけ、剣を奪う。

 その人達はテキパキとオリバーのことを縛り付ける。

 彼を見ると気を失っていた。
 どうしよう、本当に死んでしまう。

 なんとかしなきゃと思っていると、新しく部屋に入って来た金髪の人がこちらに近づいてくる。

 誰かもわからないし、彼のことを守らなきゃとリュカの体を抱き寄せる。