「リーベは俺に会えなくなったら寂しいんだ?」


 少し意地悪そうな顔で言う彼に、私はなんだか恥ずかしくなって無言で頷く。

 彼が先程よりも強く抱きしめてくる。


「本当に可愛い。好きだ。俺もリーベと会えなくなるとか考えるだけでも寂しいよ」

「……ねえ、少し苦しい」


 彼が伝えてくる言葉はいつも真っ直ぐ。
 照れ隠しにそう素っ気なく言う。


「あ、ごめん。リーベのことが愛おしすぎてつい」


 彼の抱きしめる力が弱くなる。

 “愛おしい”とか恥ずかしげもなく伝えてくる彼に、私も愛おしさを感じる。

 こんな気持ち今まで感じたことなかった。
 彼と出会ってから、私が今まで知らなかった暖かいものを彼は与えてくれる。

 この愛おしいと思えることが“好き”ということなのだろうか。

 そうなのだとしたら、“好き”ってとても素敵なものだ。
 彼のことを考えるだけで、ここでの生活で冷え切っていた心がぽかぽかと暖まっていく。


「リュカ、好き」


 気づいたらそう言葉を溢していた。